社会のダストダス

すくってごらんの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

すくってごらん(2021年製作の映画)
3.2
ミュージカルとは知らずに観たけど、凄く良かった。開始からいきなり歌い出してビビったけど。
考えてみれば邦画のミュージカルってあまり観たことがない。

出演キャスト陣はほとんど初見だった。主演の尾上松也さん、めっちゃ歌うまいし顔芸も凄かったけど、歌舞伎役者だったのか。この映画での風貌で私の記憶にインプットされたけど、普段は全然印象違う人なのね。

都会の大手の銀行マンだった主人公は些細な出来事がきっかけで田舎町の支店に左遷される。そこで出会った金魚すくいの店の女性に一目惚れをし、仕事に専念と言いつつも割と大胆にアプローチしていく。

とにかく全編を通して歌が良かった、多分すべてオリジナル楽曲?ほぼずっと歌ってた印象でサントラで欲しくなるレベル。私が観たことある数少ない和製ミュージカル「ダンス・ウィズ・ミー」ではどれも既存楽曲が使われていたので、かなり新鮮な気持ちだった。観る前はこんなにミュージカルのヤク漬けだとは想像してなかったけど。

そして尾上松也さんの演技と歌唱と顔面。お堅いサラリーマンに見えて度々むっつりスケベだったり、心の声が周囲にダダ漏れだったり、ストーリー上必要な情報をみんな歌い上げてくれたり清々しいくらい暑苦しい存在感。東京への復帰が決まった際に、今の上司を目の前にして言った台詞が超好き、声出して笑いそうになった。

変な映画だったけど、邦画のミュージカルも思いがけず良かったし
エンドロールでの劇中歌の表記の際に、ハイライト付きでどこで流れているのかが分かるようになっているのは、感動すら覚えた。