イチロヲ

昭和エロチカ 薔薇の貴婦人のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
有閑夫人(宮井えりな)と相思相愛の愛人関係を築いている青年画家(市村博)が、強固な支配欲をもつ夫(大河内稔)と直接対決するべく、山奥の豪邸を訪れる。非日常に取り込まれた青年の数奇な運命を描いている、日活ロマンポルノ。

太平洋戦争前夜を舞台背景に、その時代の多様な人物たちが豪邸内に集まってくる、いわゆるシチュエーション劇。ヒロインの抑圧された過去を示唆させながら、夫という束縛からの解放を目指そうとする画家のジタバタ模様を描いていく。

豪邸に集うメンバーは、主人公の画家、男勝りの将校(飛鳥裕子)、残虐非道な憲兵(高橋明)、脆弱な美人看護師(麻吹淳子)などといった布陣。とりわけ、飛鳥裕子演じるドイツ派の将校が存在感抜群であり、まさに当たり役の輝きを放っている。

陰毛を狙った連続婦女剃毛事件だとか、マジックミラーを使用した窃視プレイだとか、唐突に始まる緊縛凌辱プレイだとか、突拍子もないエロネタが満載。ある意味、70年代ロマンポルノの紋切り型を逆手に取ったような作品に仕上がっている。
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