Ricola

トリュフォーの思春期のRicolaのレビュー・感想・評価

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)
4.0
原題は「お小遣い」という意味だそう。

子供たちの世界を撮った作品で、子供ならではのあるあるなエピソードが満載。基本的に微笑ましい内容だが、たまに鋭い視点で社会を描くような内容も。


トリュフォーのカメオ出演があった。冒頭でそれも一瞬の出演ということで、ヒッチコックのカメオ出演を彷彿とさせる。

工場地帯に住んでいるという転校生…。問題児と言われているが、その彼の裏の姿はどうなのだろうかと心配していたらやはり…という感じ。 
トリュフォーにとって、自分自身をモデルにしたキャラクターだと思う。


「子供の方が強い」
この作品の中では特に小さい、グレゴリーくんの行動には心配されっぱなしだったが、最終的に彼が強いことが証明されたのはほっとしたと同時になんだか笑えてきた。

中庭と窓に歌。ルノワールを彷彿とさせる演出に心が踊った。

友達のお母さんに恋をした子、問題児ジュリアン、やんちゃな兄弟やアウトローな女の子など…。
子どもの日常生活を観ているだけなのにとっても面白い!

「生きるのは辛いが人生は美しい。」
「人間は愛がなくては生きられない。」
子供の頃からそれは言えることだとよくわかる。 

トリュフォーにとって映画を通して語るテーマの一つ、愛と教育。
この作品でもそのテーマが主軸にあった。
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