こたつむり

セブンのこたつむりのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
3.9
90年代後半の閉塞感を見事に描き切った映画。誰もが知る名作です。

この感想を書くために十数年ぶりに視聴したのですが、ストーリーをほとんど忘れており、たぶん初見の時と同じような勘違いを抱いて観続けておりました。
なんと、ずっと、真犯人が×××だと思っていたのです…!(一部ネタバレのために伏字)
実際はそんな陳腐な展開なわけがなくて、怒涛の終盤は重い展開でございました。
また、今回はヘッドホンで視聴していたのですが、日常音に混じって時折不協和音が流れていたりすることに気付きました。もしも、再鑑賞することがあるのならば、ヘッドホンでどうぞ。かなり緊迫感が高まり、この陰鬱とした世界観に浸ることが出来ます。今もそれを引きずっておりますので、それを例えて書くとするならば…

雨が降り続けているのに空気は乾燥している。
それが、神経を苛立たせるような音と。
闇の中に散らばった陰鬱な小道具。
罪と罰。
胸にこびり付いた想いが輻輳して。
心拍数が必然と上がっていく。

なんて。拙いながらも今の気持ちが伝わりましたでしょうか?
多少でも、本作品のイメージが脳裏に浮かべば幸いでございます。

しかし、本作の影響は本当に大きかったですなあ。昨今の映画、マンガ、ゲーム、小説、様々なところに影響を及ぼしていると思います。特に最近では、ファンタジー系の豚が喋るマンガにも…ああ、あれは違いますね。うむ。全然違う。
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