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浜の朝日の嘘つきどもとのmakoのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
4.4
《いらっしゃいませ、ようこそ映画館へ》

福島県南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、タナダユキ氏がオリジナル脚本を執筆し自らメガホンを執った本作。

私は先にドラマを視聴していました。
時系列は本作→ドラマになっています。

100年近くの歴史を持つ福島・南相馬の映画館「朝日座」。閉館が決まったその映画館にある日、茂木莉子(もぎりこ)と名乗る女性(高畑充希)が支配人の森田保造(柳家喬太郎)の前に現れる。

映画愛、映画館愛に溢れた素敵な作品でした。
小さな“嘘”をついてオンボロ映画館を守ろうとしたお話。

フィルム上映のミニ知識も得られました。映画は半分くらい闇を観てるとか。残像現象。
でもイマイチ仕組みが分からなかったけど笑 頭が悪い笑

恩師との出会い、家族への想いなど、映画館の再起だけじゃなく、人との出会い、別れ、約束、人の温かさなどが描かれていて、心がじんわり温かくなる素敵な映画でした。

さらっと、社会問題にも触れられていて。でも盛り込みすぎとは感じなかった。バランスよくて最後まで飽きずに楽しめました♪

高校時代の恩師・田中茉莉子(大久保佳代子)が素敵な教師でした。こんな先生と出会えた莉子(本名は…)は幸運だと思う。
ただ優しく理解があるだけじゃなく、人間らしい欠点もあって。チャーミングな人だなと思いました。こんな風になれたらいいなと思いました。この欠点は要らないけど笑

家族は幻想という言葉も印象的でした。

今の時代、映画館は厳しいと思います。
劇中でも語られるけど、映画でお腹が膨れる訳じゃないし、映画館に行かなくて手軽にレンタルや配信で観れる。
それでも私は映画館で観る映画が大好きです♪
大きなスクリーンと音響で観る映画。その場で同じ映画を共有する観客たちとの雰囲気も良きです。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、驚いたり、いろんな感情を引き出してくれ、疑似体験をさせてくれる。
娯楽だけじゃなく、歴史や社会問題などの学びもある。

たまにマナーが悪い観客もいるし、面白くない映画もあるけど、でもそれが思い出になったりもする。(できればマナーの悪い観客と同席はしたくないけど笑)
家のテレビで観るのは味気ない。

本作を多くの人に観てもらい、映画館の良さを分かってもらいたいなと思いました。
映画館がなくなるのは寂しいし、悲しい。
福山市に、大黒座という122年間の幕を閉じた(2014年に閉館)映画館がありました。私も何度か通ったことがある映画館でした。
解体され跡地はローソンになっています。寂しいけど、『シネマの天使』という映画になって大黒座は残っています。
興味がある方はこちらをどうぞ
https://filmarks.com/movies/62591

ラストがドラマの冒頭に繋がってました。ドラマも面白かったです♪

出演者、皆さんよかったです。
特に大久保佳代子さんがよかった♪
劇中に出てくる映画も観てみたいと思いました。『喜劇女の泣きどころ』が特に気になる笑
お勧めします😊


観客 1階席?、2階席 6人
劇場鑑賞 #115
2021 #166
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