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ヒッチャー ニューマスター版のefnのレビュー・感想・評価

3.8
 豪雨をかき出すワイパーの間からヌッと現れるルトガーバウアーから画としてはキマってる。ブレードランナーもそうだけど、雨に愛されている俳優だよね。他にも砂埃のなかからシルエットで現れるショットや明滅する赤色灯に照らされる横顔なんかもいい。アメリカ、砂漠とくればカラッカラの砂地を延々走る映画が多いけど、この作品はシチュエーションごとに水や砂を描き分けている。幻想的な画作りが魅力的だった。
 ただ、脚本が画に追いついていない。激突をサイコサスペンスに仕立てる、というアイデアはいいけれど、犯人の顔が見えてしまえば追う/追われるの関係性にそれ以上のドラマが生じてしまうわけで、その辺の整理がうまくいっていない。いっそ解離性の問題にしてしまえば筋も通ったのではないかとさえ思う。ルトガーバウアーのキャスティングもショットの時点では面白かったし、脚本でかなり損をしている。
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