ウィジャボード(いわゆる「こっくりさん」)で呼び出された霊界サメが人を襲う話。
正直、ノーガード戦法で全方面からツッコミを待っているようなサメーガ(サメ映画)なので、ちゃんと感想書いても仕方ないのだが、一応真面目に、観ながら思ったことを書いてみます。(長いです)
【オープニング】
まず70分の作品なのにいきなり冒頭3分、長ったらしいオープニング映像とキャスト紹介で尺を稼ぐのに面食らう。
続いて、だらしない体型の巨乳ショートパンツの鼻ピアス姉ちゃん(ジル)が森を散歩するシーンが7分。
合計10分間、ほぼ無駄なシーンじゃん。残り60分しかないよ? ホントに話が進むの?
ようやく、長い長い散歩を終えたジルは、砂浜に到着。明らかに日光浴に適していない汚い砂浜でブラトップになって日光浴、海に入ると、ようやく、獲物を狙う霊界サメの姿が……。
出てこない。
いや、出てきているハズなのだが、ここで霊界サメの視点(いわゆるPOV)になるので、俺らからは見えないのよ。明らかにサメを海に沈める予算がなかった(もしくは浮いてしまう素材だった)のだろうが、ここでもったいぶられても……。
水中から水着のジルを眺めるショットも、そもそも俺そんなに嬉しくないし、水が汚すぎて下水道で海水浴してんの?って気持ちになる。ここガンジス河ですかね?
と、たった10分なのにこんなに書いてしまった……先が思いやられるが、続けて書いてみる。
【前半】
不安を感じて浜に戻ったジルは、ウィジャボードを発見し、友人たちの集まるバンガローに持ち帰る。
……この友人たち、設定は女子大生なのだが、明らかに
熟女
が半分くらい混じってる。
しかも全員ビッグマックで育ってきた感あるポッチャリ体型で、巨乳にショートパンツ。監督の性癖、バレバレでしょ……。
ジルは女子大生のフリした熟女たちに
「みんなで、ウィジャボード(こっくりさん)やろうよ!」
と誘う。断られるかと思いきや
「面白そう! やろうやろう」
と始まるウィジャボード。いやいやいや、初対面でこっくりさんやらんやろ。絶対キミら、熟女でしょ!?
案の定、ウィジャボードは霊界サメを呼び寄せ、翌日、バンガロー周辺にいるカップルたちを襲い始める。
【ジルの父親登場】
そんな翌日の惨劇(?)を予測したのか、悪夢を見たジルは、父親に電話。
「スパイダーマン」のDr.オクトパスとウクライナのゼレンスキー大統領を混ぜたような風貌の濃い顔の父ちゃん、出てきた瞬間からインパクト強いのだが、後半大活躍するので、このシーンだけは見逃してはいけない。
※ジャケットの左上に、霊界サメと同じくらいデカい顔で薄っすら写っているのが父ちゃんです。
ついでに言うと、この父ちゃん、いちいち娘との会話が噛み合って無い。
娘「今日、悪夢を見たの」
父「夢は無意識の扉だ」
この時点で会話になってない。
さらに言うと父ちゃんの言ってることも安定してない。例えばこんな感じ。
娘「(遊んでると)ウィジャボードが震えだしたのよ!」
父「あり得ない」
娘「信じて」
父「信じるよ」
……いやいや、3秒前に「あり得ない」って言ったばっかりやん!
とりあえず父ちゃんは「オカルトは遊びじゃない。調べてみよう」と娘に約束。
【惨劇の始まり】
翌朝。
作品の中では順番は前後するのだが、先に、朝起きだしてきた巨乳ショートパンツ熟女軍団に関してどーしても書いておきたいのが……。
「お前ら、翌朝って設定なのに全員、昨日と同じTシャツ着てるんじゃねーよ!」
ふぅ、すっきりした。映画の神は細部に宿る。朝食取った、という設定なのに皿がピッカピカだとかは目をつぶるので、せめてTシャツくらいは変えてくれ。一日で撮ったのバレバレやん。
気を取り直して惨劇の方に戻る。
まず唐突に登場するのが高校生(という設定の)カップル。森の中を散歩してたカップルは、汚いベンチを見つけ
「あら、ここが素敵ね」
と座り
「あーん、日光浴がしたいわ」
と、いきなりTシャツを脱いで水着になる女。なんて積極的……俺含む素人童貞のキモオタ映画マニアとしては、こんなシーンが地味に嬉しい。
そしてここで、霊界サメ登場!
【霊界サメのクオリティ】
作り物であることは明らかだが、ポロニアもの(クソ映画界のカルト監督マーク・ポロニア作品の総称。代表作に「フランケンジョーズ」など)のヤケクソで作ったぬいぐるみにしか見えないサメに比べると、クオリティは高い。
サメの尖った歯なども再現されており、さすが、「3万円の予算をかけた」とIMDBに書いてあるだけのことはある。
霊界からの登場なので半透明で、神出鬼没。その割に登場人物に小屋の中に逃げ込まれたら中に入れないとか、強いのか弱いのかさっぱり分からないのは、まぁ、いいか……。
【襲われる登場人物たち】
カップルを皮切りに、ジルの仲間たち(熟女)や警官など、次々に襲われて、一気にクライマックスに突入!
予算の関係で、襲われると言っても、襲われてるシーン自体は全カット。登場人物が画面から消えるだけ。
ここからは怒涛の展開が続く。細かく書いていくのも疲れてきたので、以下備忘録的に、気になったシーンを列挙しておく。
1.一人でこっくりさん始めるジル
→一人でやるゲームじゃなくね?
2.娘を助けにいかず霊媒師に相談に行く父親
→寄り道してんじゃねーよ
3.裸電球にしか見えない霊媒師の安すぎる水晶玉
4.父ちゃんと霊界サメの対決
→後述
5.唐突に出てくるトランプ大統領(らしき人)
などなど。
【父ちゃんの大活躍】
中でも、どうしても書いておきたいのが、作品開始後59分あたりから始まる、父ちゃんと霊界サメの霊界での一騎打ちシーン。
正直この作品、始まって59分あたりから観ても何も問題ないです。
この59分から始まるのが、作品を観たもの全員に強烈な印象を残す、圧倒的にテンポの悪い一騎打ち!
このシーンは、確かに一見の価値あり。
霊界に行って無敵になった(死んでるから)父ちゃんは、霊界サメと互角の死闘を繰り広げる。
霊界サメは、父ちゃんに鋭い牙で襲いかかる……のではなく、なんか口からオレンジ色のマリモみたいな弾をポーンポーンと発射するだけ。あんたサメだよね?
しかも、父ちゃんにヒットするマリモ弾は、あまり父ちゃんに効いていない。
業を煮やした霊界サメは……マリモ弾をもう一度発射!
いや、それ効いてないよね!!!
だが、ここで驚愕の展開が。マリモ弾(効かない)が迫る中、父ちゃんは叫ぶ。
「ミスティック・シールド!!!!」
観ると父ちゃんの手元にはDr.ストレンジを1億倍ショボくしたような、専門学校の卒業制作以下のクオリティのCGで送る結界が張られ、見事マリモ弾を撃退したではないか。
マリモ弾は霊界サメに命中。どうやら霊界サメには効いているらしい。
父ちゃんドヤ顔。
「うりゃああああああ!」
父ちゃん、真正面から霊界サメに突撃! 見事、同士討ちになる父ちゃんと霊界サメなのであった……。
だったら、最初から突撃すれば良かったやん……。
【まとめ】
少なくともこの作品を観て
1.監督はポッチャリ巨乳にショートパンツが好き
2.監督は森を散歩するのが好き
という二点は、俺の脳裏に痛いほど刻み込まれた気がする。それが70分もの時間を費やした対価として適正なのか分からないが……。
ポロニア先生の「フランケンジョーズ」を1.0、「JAWS」のサメを5.0として俺内サメログで評価すると、このサメーガは2.0くらいの評価かな。
関係ないけど、「サメーガ2.0」って「WEB 3.0」みたいで、無意味にカッコいいよね。
そして、
3.ミスティックシールド
は確かに強烈な印象を残す。
どうやら続編の「ウィジャシャーク2」は、父ちゃんことジョン・ミリオーネ氏が監督・脚本・主演。しかも配給会社コンマビジョンの執拗なプロモーションと一部ファンの熱狂的な支持によって、劇場公開され続けてるではないか。
というわけで明日、池袋のHUMAXシネマの「ヒューMAX上映会」に行ってみることにした。
(コスプレ鑑賞可。サイリウム・拍手・手拍子可。楽器・クラッカーの使用可。)
と書いてあるが、まだ劇場はスカスカ。「ミスティックシールド」は出るのか……と思ったら予告編で出てやがるが、楽しみにして足を運んでみたいと思います。
(おしまい……明日以降に続く)