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浅草キッドのwhiskeyのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
3.7
評判の良いのもなるほどという感じ。良い意味で古い、昭和の演芸、芸事の世界を丁寧に愛情込めて描いた作品。

僕はいわゆる漫才ブームの頃に小学生で、劇中で柳楽優弥君が演じていたツービートのネタもテレビで見た記憶がある。当時はビートたけしの乱暴な馬鹿野郎口調が大嫌いだった。それこそ大橋巨泉や大島渚にその知性を発見される頃まで、ずっと苦手なタイプだった。
本作を見て、あの口調が師匠ゆずりで、言葉遣いを受け継いでいるのだと知った。まぁ変わった人だよね。柳楽君が演じたおかげで、だいぶ上品に見えたというのもある。

大泉洋はもちろん、ビートきよしを演じたナイツ土屋君も、あと鈴木保奈美や門脇麦の女性二人もよかった。
ビートきよしに漫才を誘われて、一緒に練習するシーンとか好きだった。ビートたけし本人は、「自分はきよしさんのおかげで売れたので、相方としては彼が理想だ」とわりと最近語っている。

余談だが、YouTubeに劇団ひとりとムロツヨシの対談動画がアップされている。劇団ひとりはお父さんがパイロットだった関係でアラスカに幼少期に住んでいて、日本のテレビ番組が見たくて仕方なかった。日本の友達が月イチで送ってくれるビデオテープが貴重で、その中身がひょうきん族だったらしい。だからタケちゃんマンはパロディではなく、まんま自分のヒーローだったと。そのあたりのたけし愛が、本作につながるのだろう。
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