Nちゃん

くれなずめのNちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

くれなずめ(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。
恥ずかしい余興を披露した後、彼らは披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返る。
自分たちは今も友だちで、これからもずっとその関係は変わらないと信じる彼らだったが次第に言葉にしたくない過去を思い返すことになる。


6人の仲間
吉尾和希→成田凌、
舞台演出家キイチ→高良健吾
舞台俳優の明石→若葉竜也
後輩で家庭持ちのサラリーマン→浜野謙太
後輩で会社員→藤原季節
地元のネジ工場で働く通称ネジ→目次立樹

前半は披露宴のために5年ぶりに再会したみんなが昔のようにワイワイ盛り上がり、余興どうする?って騒いでいるが、どこか盛り上がりきらないところがある。
そして一人ずつヨシオとの昔の回想が入ってくる時点でヨシオに何かがあるのは分かるが、まさかヨシオが成仏せず幽霊になって現れていたなんて思いもしなかった。

夕暮れのシーンで、「なんで成仏しないのか」というセリフでヨシオが幽霊だとバレるこの瞬間がこの映画の最大のオチシーンだし、タイトルの「くれなずめ」の意味が分かったような気がした。
早く夕日が沈んでくれないかという比喩に「早く成仏してほしい」という意味も込められているようなそんな気がした。

ここから一気に作品の雰囲気が変わり、ファンタジー要素がプラスされてくるのだが、不死鳥が現れてみんなの心臓えぐり出してみんなを1階死なせて天国に連れて行き、天国にいるヨシオに会って、今まで隠してきたヨシオへの気持ち(悲しいとか寂しいとかやるせなさとかを本人にぶつけられて伝えられて、みんなもヨシオのことを引きずっていた現実から奮い立たせ、過去をも今の自分たちでやり直すことでヨシオの死と向き合うことができたんだね。

ヨシオの死は悲しかった。本心に。
それに尽きる映画だった。

余興のダサいダンスなんて最高にバカだったし、久しぶりに再会したのに昔のようにバカやれるみんながうらやましくなった。

所々同じセリフを繰り返しているのが伏線を回収しているようで良かったし、終始アドリブのようなセリフまわしが本当の友達を演出しているようだった。
そして友達の死というテーマをありきたりに描いていないのが最高だった。
天国でヨシオと再会するなんて普通描かないだろうよ笑
Nちゃん

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