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世界で一番しあわせな食堂のShinMakitaのレビュー・感想・評価

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)
1.8
フィンランド北部の小さな村、ポホンヨキ。ここに一軒の食堂がある。1人で切り盛りしているのはアラフォー女性のシルカ。客は、近所の爺さん婆さんばかりで、メニューもランチビュッフェ…ポテトに茹で野菜にソーセージというシンプルなものだ。ある時、この食堂に子連れの中国人が現れた。上海からやってきたという彼の名はチャン。村にいるはずの「フォントロンさん」を探しているという。しかしシルカも村人たちも、そんな奴、聞いたこともない。がっかりするチャンに同情したシルカは、チャンと幼い息子を食堂の裏にある古い空き家に泊めてやるのだった。翌朝、何を間違えたのか団体旅行の中国人たちが大挙して食堂に押し寄せ、ランチビュッフェなんか食えないと騒ぎ出した。シルカがオロオロするなか、チャンは颯爽と厨房に入り、大量の鶏スープ麺を作って彼女の窮地を救う。彼は上海で鳴らした名料理人だったのだ。


「世界で一番しあわせな食堂」。アキ・カウリスマキの兄、ミカ・カウリスマキの監督作品。


以下、ポケットにネタバレ入ってる?


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ほっこり純度100%のフィンランド映画。上海の名料理人がフィンランドの田舎で薬膳中華を振る舞い村人たちを幸せにしていくというストーリー。対立も大声もサスペンスもありません。とにかく出てくる皆んなが優しくて、チャンと息子を受け入れていくのが気持ちよかったな。中華料理のお礼でサウナを教えてあげたり、地元小学校の子供たちが普通にチャンの息子と仲良くしたり、平和この上ない。静かで穏やかな景色と太極拳のゆっくりしたリズムが見事にマッチ。荒んだ心に効く、まさに薬膳映画でした。よく噛んで観ようね^_^
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