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世界で一番しあわせな食堂のmoobyooのレビュー・感想・評価

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)
3.7
美味しい料理は人を幸福にするという与件をストレートに表現している食と愛を描いたハートフル作品です。

フィンランド料理は?と問われても答えられません。本作の舞台となる食堂の主力メニューもソーセージとマッシュポテトにサラダバーという手の掛からない料理なので、失礼ながら同国の人々は食には恵まれていないと思われます。実際に登場する男性陣は肥満気味で病気持ち、女性たちは揃って胃が痛い方々ばかりです。

女性の主人シルカが一人で切り盛りする村唯一の食堂に、恩人を探して上海で一流シェフだったチェンが息子を連れてやって来て、成り行きで作った薬膳系中華料理が評判となり、住み込みで店を手伝う様になる流れからのシルカとチェンが何時しか惹かれあって行く物語は王道であり見せるべきものはちゃんと見せてはいます。

しかし、構成が思いのほか淡白であり登場人物たちの関わりからのそれぞれの成長に至る過程をもう少し丁寧に描けていたのなら、よりα波の出る映画になっていたかも知れません。
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