松原慶太

TOVE/トーベの松原慶太のレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.6
ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの伝記。作品単体としては地味なんだけど、ものすごくクリエイティブ魂が触発される映画だった。

父親が彫刻家、母親は画家という一家に育ったトーベ。画家や記者や哲学者、舞台演出家に囲まれて、伸び伸びと自由に育つ。

初めて付き合った男性、左翼の哲学者で政治家でもあるヴィルタネン(ピーター・フォーク似)。シャイだけどときどき良いことを言ってトーベの心の支えとなる。このヒトがスナフキンのモデルらしい。

そして最初の女性のパートナー、ヴィヴィカという舞台演出家。これトーベにとって大恋愛なのだけど、彼女はキレイな女性なら誰とでも寝る奔放な女。そのことによってトーベは傷つくのだけど、仕事の上ではよき指針ともなる。同性愛の描きかたも自然でいい。

ヘルシンキに行きたくなった。

しかし、70年代に日本でお茶の間アニメ化された「ムーミン」を見て、トーベは激怒したらしいけど、そりゃそうなるわなと思う。
松原慶太

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