ニャーニャット

ハウス・オブ・グッチのニャーニャットのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.3
パオロが「ゴッドファーザー」のフレドっぽいなあと思ってたら、パオロが株を全部売っちゃった時のアルド(アル・パチーノ)の愛憎、後悔、怒り、絶望が入り混じったあの感じの演技、まさに「ゴッドファーザー PART II」のハバナでフレドに裏切られたことを知ったマイケル(アル・パチーノ)と瓜二つの演技で感動。
アル・パチーノの絶叫オーバーアクションをこの時代になって鑑賞できただけでもありがたい。近年のロバート・デ・ニーロと違って、まだまだ衰えてないなあって思わせてくれる映画にたまに出てくれるから嬉しさこの上ない。

保守的な親の反対を押し切っての結婚という一見、すごくリベラルでロマンチックな歓迎されるべき結婚が結局は「蟻の一穴」となり、崩壊のシナリオが始まっていく。
最期の収まりどころといい、現実を元にした物語ではあるんだけど、ほんと救いがない感じがリドリー・スコットっぽいよなあと。

ただ、映像としてはなんかすごくリドリー・スコットっぽくないというかあまりビジュアリストとしての本領は発揮されてない。いつものバキバキに作り込まれた圧倒的ビジュアル感はなかったなあ。役者の演技をほんとに淡々と撮りましたって感じ。あんまり力入ってなかったんだろなというのが観ててよくわかる。

ただ、レディ・ガガの演技はマジで最高。あの肉感といい、中小企業(運送屋)の社長の娘!って感じで野心に満ち満ちた感じが素晴らしい。アカデミー賞もらってもいいんじゃないかっていうレベルのハマり役だった。