「モーリタニアン 黒塗りの記録」TOHO錦糸町で鑑賞。エンタメ感はなく、地味だが非常に良い作品。
無実にもかかわらず、9.11テロ事件に関与した疑いで、起訴もされずにグアンタナモ収容所に8年以上も収監されたモーリタニア人青年、モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書を映画化。
権力者や国家が振りかざす暴力の闇の深さが印象に残る。米軍が収容所で行う自白を強要する拷問と虐待の映像が胸糞悪く辛かった。
共に信念と良心を貫く、敏腕弁護士役ジョディ・フォスター、軍の弁護士役ベネディクト・カンバーバッチが熱演しており好感。
本編終了時、無音で映されるテロップ、遂に釈放されたスラヒ氏のその後の悲しい事実に本当に驚いた…。(後部座席の男性は、えっ…て声を漏らしてた)
エンドロール後の本人映像で、ボブ・ディランの”The Man In Me”を歌う笑顔のスラヒ本人の姿になぜか涙が溢れてきた。