FutosiSaito

モーリタニアン 黒塗りの記録のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

3.8
 法の正義=「ジャスティス」を重んじるアメリカの姿勢を示した映画がまたひとつ増えた。『ペンタゴン・ペーパー』しかり。
 情報公開に対するアメリカの姿勢もすばらしい。政権が変われば、「不都合」な情報の内容も変わるので、一定の時間が経てば公開する。沖縄の基地問題の情報など、アメリカが情報公開で認めているのに、確認できないからとしらを切る日本政府とは大違いだ。
 しかし、怖いのは「水攻め」を拷問として禁止するというバラク・オバマ大統領の公約が未だ実現されていないことと、この映画の責任を政府や軍がとっていないことだ。無罪は証明され解放されたが、十数も拘束された責任は誰が取るのか。
 日本でも、別件逮捕の連続で、取り調べを理由にずっと拘束され続けることがあたりまえに行われている。カルロス・ゴーンが国外逃亡した理由のひとつにこの問題がある。
 結局は、力関係であり、突然でも容疑者視すれば連行・拘束そして拷問さえもできてしまう権力があるということが怖い。
 そして、これがイギリスのBBC制作であることも興味深い。ベネディクト・カンバーバッチが制作したのか、役柄のまんまだ。ジョディ・フォスターの口紅の真紅ぶりも同様、熱い正義感を感じさせる。
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