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タハール・ラヒムの演技が素晴らしい。
彼のキャスティングが大正解。
いいひと丸出しな俳優を、さらにご本人に寄せた役作りがよかった。
拷問でおかしくなっていくところは胸が痛くなるほどの迫真の演技だが、収容所で故郷の海岸を思い出し、金網に身を委ねている演技は、誠実で精神力が強く、心優しいムスリムの男性がよく表現されている。
こういう実話が元の映画は、映像的な技法は凝りようがないため、演出はふつーだけど、安定感ある俳優陣で成立しちゃうな。
むしろ感動あおりねらった脚色をしすぎるとうさんくさくなる。
最後の証人シーンでは、くったくがなく、賢く、信仰心のあつい、スーパーよいこのムスリムの友人を思い出した。
アメリカにかぎらず、日本でも、ムスリムの人たちへの理解は全然浸透しておらず、テロリスト=イスラム系みたいな誤解されていること満載だけど、イスラム教のレクチャーを受けると、目からうろこが落ち、自分の認識不足をおおいに恥じます。
アメリカの闇のと収容所、宗教的差別、思い込みバイアスを、911の実話にリンクさせ、政府批判で落とす、教育的な良作。
子どもたちに見せるべき教育映画。