おもちの国

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライトのおもちの国のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

※アニメシリーズ視聴済み。一部アニメシリーズファンの方が不快に思うような感想があるかもしれません。


アニメ視聴時は正直そこまで心に響かなかったのですが、映画の完成度は非常に高かったです。

アニメ時からあった「作品内の現実と、作品内舞台の境界線の曖昧さ」が劇場版ではより強く、どこまでがキャラクターたちの演じる舞台、セリフなのかが分からなくなるような2時間でした。
ですがそう言った演出の全てが心地良かったです。(アニメはここまで入り込めなくて、これどういうスタンスで見たらいいんだろう…?と悩む所止まりでした。)

キャラクター達が舞台上で争いながらも心情を曝け出し、ずっと役を演じてるけど、それ以前にちゃんと名前が一人一人ある女の子だということが、矛盾せずに最大限伝わってきました。舞台は演じる場所である、という事を逆手に取った演出も数多く、舞台としても、アニメ版の続きとしても楽しめました。

アニメを観ているときはキャラクターの日常芝居(主人公の周りに迷惑をめちゃくちゃかけまくりながらも一切悪びれない様子。主人公と仲良い子の、好きな人間の飲んだ水筒や使ったタオルに惹かれている事がただ可愛く描かれることによって許されている様な印象を受ける様子など)が正直合わず、視聴に時間がかかってしまったのですが、映画版はそのようなノイズ(に私は感じました)も殆どなく、俳優としての彼女たちの心情、そして舞台上での怪演に集中できました。

またアニメ時には彼女達が実際舞台で演じている様子があまり観られず、もっとそこみせてくれよ…と思っていたのですが、映画で大満足しました。
スクリーンを通してなのに舞台上の緊張感や演じる時のワクワク感が伝わってきて、ただの観客としてでなく、俳優の生の感情すらリアルタイムで味わえました。メンバーの中でも優秀とされる人たちの演技は本当に迫真過ぎて見ていて怖かったです。

あとそれぞれの個性を感じる殺陣描写が良すぎてオタクが観たかったやつじゃん♫となりました。

アニメ映画なのですが本当に舞台少女、という新しいジャンルに感じました。曲や音などにも拘りを感じましたし、同じ舞台は二度と作れない、という言葉の意味はこれか…!と思いました。デッカいスクリーンと映画館の良い音響で観て良かったです。

また彼女達の次の舞台が観たくなりました。
おもちの国

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