初日初回鑑賞。
細田守作品はサマーウォーズから欠かさず劇場で観ているが、前作があんまりだったので期待値は低めだった。
仮想世界「Ｕ」を舞台に、人気の有名人となったベルと悪名で有名な竜が出会い、それが現実世界とリンクしていく物語。
感想としてはこれまでの細田作品とディズニー映画の要素を混ぜたセルフパロディに近い内容。
ネット社会の問題点と利点を描き、最終的には人を結びつける奇跡を映像美と歌で描く。
竜の正体のミスリードの為だけにいるようなしのぶくんや、ルカちゃんなどサブキャラが宙ぶらりんなのと、そもそも竜が疎まれている理由やベルが意識し始めるキッカケが足りず、ご都合主義に見えてしまうところは勿体ない。
ラストの素顔での歌唱や、暴力に対し無言の圧で勝つところなど鈴のキャラクターは素晴らしかった。おおかみこどもの花ちゃんの様に強さを感じる女性主人公はとても好みである。
鈴の抱えた心の傷、この竜との出来事を経て変わる父親との距離などドラマとしてはしっかりしている。
ベルという偶像の神秘性が壊れても、現実世界の鈴は晴れ晴れ。これはインターネットは所詮ハリボテの世界だと暗喩しているようにも見えた。
現代人に向けたメッセージ、これが過去のものになる未来が来ればいいなぁと思いつつ。
