おもちの国

竜とそばかすの姫のおもちの国のネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

映像、演出、音楽良かった。ストーリーは細かい部分が気になってしまったが目を瞑れば…楽しめはした。というか映像等が良すぎて持った感じ。

良かった点(シーン)
・ラストのベルが歌ったシーンで世界中のみんなから光が出たシーン。あの光を出した人々の中の何割かは掌を返してアンチになる(戻る)んだろうなと感じた。というかそうであってほしい。どんな考えの人間もあの時だけはベルに共感して光を出す事ができる(どんな人間にも歌や芸術はその場で響く可能性がある)という事が価値ある尊いことだと思った。芸術や歌などの本来生きていくに必要ないものに救いを感じている身からするとそうだと嬉しい。(アンチたちも歌に共感して単純に改心したという描写なら全然好きじゃない)
・友達の長回しの告白シーン 可愛い
(そのあとすずが幼馴染の男の子と話してる背後でもずっと話しててウケた)
・竜とクリオネの男の子のキャラデザ周辺 可愛い

気になったシーン
・ネットの声みたいなのが象徴的かつ極端すぎてちょっと観てて恥ずかしかった。
・すずはずっとエゴで行動してるんだと思って視聴中整理をつけていた(竜の男の子達を助けなきゃ…!となってる時何度か冒頭ですずが売り上げを寄付したチャリティー先の人々のことを考えてしまっていた。でもそういう助けなきゃいけない人々の中で、自分が真っ先に助けたい人間が出来たのは良いことだと思う。)。
すずはそういうのを分かって助け先を選んでいるのだと思った。というかすずが分かってなくてもそれはあえてなのかなと。高校生だし。
でも父親とのやりとりでその行動に優しさという名前がついててなんかがっかりしちゃった。優しさじゃなくてエゴとして描いてくれたら好きだったかも。
・結局ベルとしての活動を通して出会ったファンの人とか、ベルとしての活動方針とかはどうなったの?(形式上ベルの歌がラスト人々の心に響いた!っていうシーンがあるから余計気になった)(まあこれはどうとでもなるか)
・いうの野暮だけど…大人たち着いてこないの?本当に野暮だけど…大の大人に虐待されてる子供二人を助けに行くのに女子高生一人って、どうしても正気に戻っちゃうよ
・顔を晒して歌う事があの場では結果成功したが、それを絶対しなきゃいけないなんてことはない。闘わなくても良い。
・なんか全体的に「こういう人たちがいて、この場合はこうなって全部丸く収まったんだな」と思ってしまった。
こういう終わり方ができたのはたまたまで、そうでなかった可能性(デジタルタトゥーが痛く刻まれる、三人まとめて大怪我など)の方がでかくないですか?そしてそこに歌の力とか、愛とかの名前は貼り切れないかも。


物語ー!っていうよりは歌と映像、こういうのがやりたいねんという感じ。(こういうのがやりたいねん同士を繋ぐ物語とか設定の詰めが…甘いのかな。話は常に整合性ちゃんとしなさいよとは全然思ってなくて、その場の説得力があればいいんだけど、今回ストーリーの全て肯定できる説得力は…なかったかも)
でも映像とか技術面はすごーく良かったです。
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