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ホロコーストの罪人のkzyのレビュー・感想・評価

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
3.5
「アウシュヴィッツ・レポート」の後に見たけど、それとは対照的な作り。
市井の人々であるひとつの家族の生活をフィーチャー。感情をとても揺さぶられる。

「人権」なんて言葉があまりに空疎に響く世界。
まったく何の落ち度もないのに、ユダヤ人というだけで"容疑者"となり強制連行され、家畜同然の扱いを受ける。
天国から地獄へ。当然のごとく、中盤以降はずっと地獄。しんどい鑑賞体験ではあるけど、ここから目を背けず、心に傷をつけることこそ大事だと思う。
最後のテロップが印象的。これが家族の数だけあったと思うと本当に居た堪れない。

これを観て感じたのは2点。
ひとつは、今の日常の有り難み。500万年以上の人類の歴史において、こんなに平和に暮らせている時代なんて無いと思う。それもまだ100年も経っていない。逆に言うと、いつ何時どうなるかわからない、と思わないと。。

もうひとつは、システム化されたものの恐怖。アメリカの黒人奴隷もナチスも、おそらく多くの人はユダヤ人/黒人に対して自らの環境から求められることを行っていたんだと思う。彼らのことを本気で憎んでいたり殺したいと思っていたりする人がどれくらいいたことか。
それでもこうなっちゃうってことは、人間は、他者を暴力で威圧することに快楽を覚える性質であるのを自覚しないといけない。
どこまでだって野蛮になれる。
他者に対する想像力や理解、共感、興味をなくせば。。