たまこ

愛のコリーダ 修復版のたまこのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)
5.0
かの有名な阿部定事件を、大島渚がリアルな性描写で映し出した超問題作。

動画配信サービスで鑑賞後、あまりの衝撃でしばらく思考停止に陥った。
そして劇場でも公開中と知り、土曜の朝一番に観に行った。

ここまで“完璧な映画“というのを観たのは、もしかしたら初めてかもしれない。

事件に至るまでの過程が完璧。
定の着物の赤が完璧。
エロスを超えた性が完璧。
その裏にある二人の背徳感が見えないようで透けてくる描き方が完璧。

そして、きっつぁんを演じた藤竜也の笑い方が、鼻筋が、唇が、歌声が、口調が、飄々としながら堂々とした態度が、もう完璧。

定の長襦袢を羽織って戯けるところとか、定に聞かれて「いいよ」とか「怖いよ」と答える時の底なしに優しい語尾、きゅんです。

定が惚れ狂うのも当然だわ。

こんなにまで芸術性が高い作品だったなんて、かつ藤竜也が超ド級にカッコいいとは知らなんだ。
もっと早く観ておけばと悔やまれるのと同時に、これ以上の作品にはもしやもう出会えないかもという恐れも感じる。

極限を超えて快楽に溺れた男女2人の熱情を、ここまで説得力を持って描いた大島渚は神か仏か。
ゲス、否、芸術の極み。

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𓇋𓇋𓇋𓆓𓇋𓇋𓇋

#定の耳たぶのサソリの刺青を見て
#お前カタギの女じゃないなときっつぁんが言うシーン
#必要以上に互いの素性を探らないのがいい


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