むぎたそ

愛のコリーダ 修復版のむぎたそのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)
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早々におっぱじまって四六時中してます…。
最初はうっわエロ…っていちいちなるけど、すぐにふつうのものを見てるモードに。日常になったからかもしれないよね。。でも不思議と飽きないのがすごいなと。台詞とかちょっとした機微で見せるというかね。序盤は社内恋愛バレないようにやるドキドキ感がありますね(笑)。してる最中の台詞のやりとりとかはほんと時代(1930年代)を感じません。現代の恋愛映画という感じです。
最後はね、あそこまでいったなら仕方ないというか、もう本望なんだろね、男の人も。(でも首絞め途中から喜んでないよね?笑)
定に対しては、ひたすらよかったね〜って感じである。幸せだったんだろうね。あれだけひとりのひとに夢中になれるのはすごいですね。ずーっと長年続けてたら飽きたり別れたりしたかもしれないし、結果的にだけど、絶頂の瞬間で二人の時間が永遠に刻まれたのは、いいことなのかもしれない。まあ、うん、愛だった。ロマンチック。
最後のナレーションにもあるように、当時の大衆人気は相当のものだったようだね。事件そのものもそうだし、定さんという人物も。
人の前で見せつけたり、他の人としてるところを嫉妬しあったりとか、いろいろ倒錯してくんですが、もはやただ「くれぐれもお幸せに…」と見守るモード。でも、太ったおかみさんや68歳の芸者としちゃうのは節操なさすぎ感が凄かった…。いわゆる絶倫ってやつですか?
藤竜也の色気があってこそ、映画が美として成立してるんだろうな、と思った。かわいいしモテそう感が滲み出てるわ。当時の大店の旦那というものは、全然働かないで遊んでてよかったのかね〜。ま、女遊びが仕事なのかもしれないね。映画には出てこないけど家の存続のために跡継ぎを設ければいいわけで、妾OKというかむしろ推奨される世界だしね。
この間、阿部定事件の近くのトンカツ屋(安藤玉恵さんの実家)でトンカツ定食付き一人芝居を見てきて、阿部定気分高まってたからより楽しめました。切り取って失血死とかだとやばいけど、好きな人が不慮の事故で死んじゃったから記念にその人の一部をもらったと考えるとべつになんにもおかしくないよなと納得してしまうんです…。一人芝居のアフタートークでも、もし同じ状況になったら(ならないだろうが)、どこを切り取って持ち帰る?って話題が出てました…。
阿部定はかわいらしい女性ですよ。阿部サダヲが芸名にしたのもわかる!

エロの経験が皆無なのにエロに興味津々だった学生時代にちらっとGYAOで見た記憶がうっすらとあるんだけど、その時みたいにキワモノとしてではなく、さまざまな背景を持った作家性の強烈な映画作品として、受け止めることができました…。時の流れを感じます…。

話に入り込んじゃって、本番かどうかみたいなことは一切気にならなかった。でも無修正版はちょっと見てみたい気がします。
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