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茲山魚譜 チャサンオボのskm818のレビュー・感想・評価

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)
3.7
キリスト教の信仰のため国家転覆の罪に問われ離島に流された学者と彼の弟子になった漁師の若者の話。よくあるタイプの話だと思うが、学者ってのはどこにいても学んでそれを形にせずにはいられない人たちなのだなあ。もちろん移動の自由はほしいし役に立ちたいだとか受け入れられたいというのはあるから赦免はされたいわけですが、それとは別にあまりクヨクヨしてないというか、クヨクヨしてる暇があるなら書物の1ページでも読んで何か書けという感じ。配流先にも本は持ってくるんだからな。そしてそうして暮らしていると島の人たちも敬意を持って親しんでくれるし、むっちゃ馴染んでるよな。島の監督官も人脈のある彼に頭が上がらない。しかも弟の方は弟子まで出入りしてるんだからなあ。そしてこの話、何のために学問するのかという話でもある。漁師の若者は独学で四書を学び人のあるべき姿を身につけ国の役に立ちたいと願ったが、しかし現実の役人たちは堕落三昧。この辺はもうテンプレだなあ。でも四書を深く学んでいたことで彼は落ちずに済んだんだよね。学問しても身につかないやつも多いが、真の学問はいろんな意味で人を豊かにするのだろう。
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