くまちゃん

CUBE 一度入ったら、最後のくまちゃんのレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
2.0
CUBE自体が設定ありきの完成した映画である。言い方を変えれば幅も伸びしろもなく何本続編を作っても既視感だらけの一発屋ムービー。
ということをまず前提として…

もともとはカナダ映画で世代も人種も異なる日本では無名の役者を起用していたため、キャラの生死を含む展開を予期しづらく死に様大喜利状態で娯楽性豊かだった。

今作は菅田将暉、杏、斎藤工、岡田将生、吉田鋼太郎とビジュアルが整いすぎ。顔で選んでるのではと疑念を抱くほど一貫していてリアリティに欠ける。
それでいてキャスティングの法則から逸脱したビジュアルの柄本時生が最初の犠牲者というのも納得いかない。
あと「まさき」は一人でええやろ😕

焦点が菅田将暉のみに絞られているため他のキャラのバックボーンが希薄過ぎる。これならCUBE設定を活用した菅田将暉の一人芝居でもよかったぐらい。

杏は感情の起伏がなく、台詞も少なく、終始一歩引いた場所にいたため、早い段階でその正体を予測でき、面白みも意外性もなかった。

岡田将生の感情に呼応してキューブ内の色彩が変化したりトラップが発動したりという因果関係がイマイチわからん🤔
作品に彩りを添えるだけの不要な設定だと思われる。

斎藤工はなぜ急いでいたのか結局わからず、その死はほぼギャグでありなんの感情も揺り動かない。
観客の心は凪待ち状態である。

星野源の主題歌「Cube」自体は悪くなかったが「CUBE」にはマッチしなかった。

顔が綺麗なキャスト陣が綺麗なまま死んでいく。
ホラーで「CUBE」のリメイクを謳うのであれば、もっと顔面が潰れたり五臓六腑をぶちまけたり、四肢が欠損したりと死に方を突き詰めてほしかった。
誰が死んでもなんの説得力も生まれず、恐怖も促されず、感情移入できない。

全体的にリズムが平坦で退屈さは否めない。

俳優の演技力の上に胡座をかいただけの映画。
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