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パーフェクト・ケアの708のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

このビッチっぷりはトップクラスかも。

介護という現代社会のテーマを取り上げつつもシリアスにさせず、薄っすらと程よくブラックコメディなテイストが根底に流れながら、スリラー的なストーリーが展開。いいテンポ感と先が読めない展開で、終始釘づけでした。かなり面白かった。

うちも介護施設や病院にお世話になってるからわかるけど、コロナ禍だと預けた当事者に会わせてもらえないため、ちゃんとケアしてもらえているんだろうか、という疑心暗鬼が生まれるのは正直なところです。施設のスタッフの人の過剰なほどの優しさや満面すぎる笑顔も、それって何か裏があるんじゃ…と、感じることがたまにあるし。

マフィアを上回っちゃうくらいの悪徳な法定後見人マーラ。マフィアたちの方が可愛く思えたし、まだ人間味がある感じ。「ゴーン・ガール」や「リベンジ・トラップ」もそうだったけど、ロザムンド・パイクって怖い女が本当によく似合うと思いました。

マーラのビジネスは一見、ミスや綻びのようなものもなくうまく回っているようでいながらも、どこかその場しのぎの自転車操業っぽかったので、どういう結末になるんだろうって思っていたら、冒頭で出てきた母親と合わせてもらえない男にあっさり射殺されて終了。真っ白いスーツだったから、これ、なんか起こる伏線なんじゃないかと思ったら案の定。

マーラはかなり悪運が強くて、マフィアの脅しにも一切怯まないわ、殺されそうになっても逞しく生き延びるわ、挙げ句の果てには、敵対関係のロシアンマフィアのボスからもビッグビジネスを持ちかけられるわ、で、そのビジネスが大成功しちゃうわで、観ていてなーんかムカつくなぁと思えるパーフェクトっぷりだったので、ラストのあの報いにどこかホッとしてる自分がいました。因果応報。いい気味だ、ざまーみろ的な。神さまは見てるってことで。
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