高校3年生、容姿端麗、成績優秀で人気者の主人公・愛が片想いする相手は、控えめで目立たないクラスメイトのたとえ。
ふとしたきっかけでたとえに秘密の恋人がいることに気づいてしまう。… からの、三角関係を描くストーリー。
人間関係だけ見るとラブストーリーなのかな？ なんだけど、一筋縄ではいかない奇妙でいびつな暴走青春ストーリーなところが好みだった。
I型糖尿病を患うたとえの恋人・美幸に愛が近づく方法がまさかすぎる。
これ、もしも映画オリジナルストーリーだったら3人の関係性に
「今っぽさやエロティックな雰囲気を出せば観客を釣れると思ってるの？」
と不快感を抱いたかもな… と思うのだけれど。
綿矢りさの原作小説があるというところがすごい。（原作未読）
それでも監督（兼脚本）ならではの解釈はしているだろうから、原作も読んでみたい。
観ようと思ったのは評価の高さに加え、いわゆるメジャーな俳優がメインキャストにいない作品だったから。
（邦画は好きだけど、同じ俳優が似たような役にばかり起用されているのを観ると、正直うんざり…）
主演の山田杏奈は、陽キャで圧倒的に可愛らしいのに、欲望と計算で動く（でも計算通りにいかない）キャラクターが嵌っていて目が離せない。
たとえ役の作間龍斗はジャニーズJr.なのか。見た目は漫画のキャラクターにいそうな陰キャ隠れイケメン… だけど演技がとても自然で好印象。
（演出が上手いんだろうな。良い作品に出演できて良かったね。）
主人公の愛をはじめ、気持ち悪いキャラクター満載なんだけど笑
個人的には萩原聖人の気持ち悪さが「こういう役を演じるようになったのね」と新鮮だった。
たぶん映画や原作小説のテーマとは違うのかもしれないけれど、秘密の恋人の美幸がイイ子すぎてね…
結果、「良い人って無自覚に他人を傷つけるよね…」という点にグサグサと私も傷つけられた…
タイトルも含め、いろいろな解釈が出来そうな作品… だからこそ、原作や監督の過去作に触れたうえでもう一度観てみたい。
