ベビーパウダー山崎

少年には楽しい夏休みと新鮮な空気が必要だのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

2.5
ドイツコメディアンの少年時代を映画化。母が自殺しても少年を支えてくれる身内がいたのは幸福。お婆ちゃんは優しいし羨ましいよ。小太りで調子が良くみなの中心、エンタメのため女装までして歌い踊るガキ。なんとなく『13回の新月のある年に』のフォルカー・シュペングラーに見えてきたりも。笑いあり涙(別れ)あり、家族って本当に良いよね、みたいな道徳的に健全なノスタルジアが大衆に受けるのは万国共通。幼い頃に家族が崩壊して放浪していた俺には別世界のおとぎ話にしか思えず。人生経験の一つぐらいの気持ちで死と暴力を利用する表現に価値はない。目立った画もなく映画として惹きつけられる何かが描かれているわけでもない。物語に律儀に沿った(よく出来た)テレビドラマ程度の出来。