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コンティニューのRのネタバレレビュー・内容・結末

コンティニュー(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2021年のアメリカの作品。

監督は「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のジョー・カーナハン。

あらすじ

元デルタフォースの特殊部隊出身のロイ・パルヴァー(フランク・グリロ「キング・オブ・キラーズ」)は朝目覚めた瞬間から命を狙われ、殺される1日を何度も繰り返していた。死ぬ度に戦闘技術が上がっていくロイはやがて、タイムループの謎を解くべく奮闘する。

ずっと気になっていて、ようやくアマプラで鑑賞。

お話はあらすじの通り、所謂「タイムループもの」。もはや、昨今の映画のトレンドの一つであり、近年だけでも1番タイトルが上がるトム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や今週公開されたばっかの邦画の「ペナルティループ」など、もはや一ジャンルを築いていると言っても良い。

そんなタイムループもの、大体の主人公は戦闘能力を持っていない状態=レベル1の状態から始まり、ループを繰り返すことで「レベルアップ」していくのが常であり、それこそがこのジャンルの見どころの一つと言っても良いわけだが、本作はもし主人公がレベル1じゃなく、のっけからレベル30くらいだったら?というのが本作の新鮮な点。

で、そんなレベルがある程度いった状態の主人公ロイを演じるのがフランク・グリロ!グリロといえば「戦狼」や「パージ」シリーズをはじめ、男臭いワイルドな顔立ちとキレのある肉体美を生かしたアクションスター俳優の1人であり、そんな彼のキャリアを知らずとも見た目だけである程度強そうなイメージを持てる俳優さんでもあり、そう言った意味ではまさに本作の主人公には適任の説得力がある。

そんなグリロ演じるロイは朝から起き抜けに殺し屋にナイフで襲われたと思ったら、窓からヘリでガトリング乱射され、その銃撃によって部屋が爆発してそのまんまダイブ!!からの車に乗った女殺し屋2人組に狙われて、通りすがりのスポーツカーをジャック(車泥棒だー!!)して激しいカーチェイスを繰り広げる!といった、のっけからアクション全開!!

その上でちゃんとした体技で格闘シーンを繰り広げたり、銃撃戦やカーチェイスなども流石グリロ、お手のものといった感じで、タイムループのはじめは弱い状態をすっ飛ばしたレベルアップ状態が楽しめる。

また、そんなロイを狙う殺し屋集団もある程度個性豊かで女の子殺し屋2人組や爆弾を主に使う「爆弾野郎」だったり、ロイとそっくりな見た目をした「ロイ2号」など、ロイ自身が分かりやすく命名したあだ名によって呼ばれる多種多様な殺し屋たちが登場する。

その中でも、特に印象的なのはグァン・インというアジア系の女優さんが演じる刀使い、その名も観音!!まさに女アサシンといった感じでアクロバティックにロイの攻撃をかわし、そのまんま何度もロイの首をチョンパする、多分殺し屋の中では1番の強敵であり、殺した後の「我が名は観音」「観音が成敗」という挨拶代わりの「人を殺して捨て台詞」も面白かった!!

あと、普通に殺し屋以外の役者陣も豪華でロイの元奥さんジェマはナオミ・ワッツ(「グッドナイト、マミー」)だし、ケン・チョン(「トムとジェリー」)やちょい役だけど重要な役でミシェル・ヨー(「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」)が出てきたり、黒幕であり、ラスボスのヴェンター役でメル・ギブソン(「ミッドナイト・マーダー・ライブ」)が出てきたりする。

特にメルギブはさすがの悪役っぷりといった感じでアクション面はそんななんだけど、序盤のジェマに語りかける「あるエピソード」はなんつーか、雰囲気抜群で無駄に迫力ある感じで語りかけてくるもんだから、すげぇ引き込まれる!!マジでメルギブ力がすごい!

ただ、お話部分はというと、ループものを逆手にとった、上記のグリロが演じる主人公の卓越したアクション自体は初めは新鮮味はあるものの、段々と慣れてくると「レベルアップ要素」がない分、普通のアクションになっちゃってるという元も子もない感じはある。加えて、ループアクションっぽいコメディ要素もあるにはあるんだけど、手っ取り早くリセットするために自殺しちゃって、敵が「なんだ、こいつ?」みたいなくだりとか何度も見たし、既視感はすごい。

ただ、終盤の展開は良かった。ロイとジェマの間には息子ジョー(リオ・グリロって子役さんが演じててもしかして実のお子さん?)が1人いるんだけど、繰り返される1日を使って、何度も今までかまけてて一緒に過ごすことができなかった「息子との大切な1日」を何度も過ごしていく中で、今まで知らなかった、知ろうともしなかったジョーにまつわる話を元奥さんであるジェマに嬉しそうに話すシーンはお父さんっ!!とグッときてしまった。

まぁ、アクション自体はそれほど新鮮味がある感じはないものの、普通にループものとしての楽しさはあるにはあるし、ラストにかける感じも良かったので、トータル面白かったかなぁという感じ。
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