KnightsofOdessa

イントロダクションのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

イントロダクション(2020年製作の映画)
2.5
[ヨンホとジュウォンのある瞬間] 50点

一部ベルリンで撮ったらしきパートでキム・ミニとソ・ヨンファが登場するので、もしかして去年のベルリン映画祭で『逃げた女』のレッドカーペットに参加した前後で撮ったのかなと思ってみたり。そしてその1年後に再びベルリン映画祭のコンペに登場するという不思議な作品。既に本作品は最新作ではなく、次の作品がカンヌ映画祭に参加している。まぁ今年は全く同じことを濱口竜介がやってどっちでも主要賞を取ってるので、今年に限っては霞んでしまっている気もするが。物語はある青年ヨンホを中心とした人間関係を描き、長い期間のうちジュウォンと交わる三点を抽出している。三つの挿話のどれもが、ヨンホ、或いはジュウォンの親と関わりを持っていて、双方の微妙な距離感を三通り楽しむことが出来る。特に役者の道を諦めたヨンホが母親に呼び出されて伝説的な俳優(キム・ジュボン)に出会う第三部は強烈で、初対面でいきなり"酒は飲んでも飲まれるな"と説教された上でじゃんじゃか酒を注ぎまくり、最終的にヨンホにキレ散らかす。第一部では世代間の隔たりが全く回収されず、第二部では"私たちも昔そうだった"とキム・ミニに言わせているのに、最後がこれかという感じ。それ以外はワンシーンワンカット、変なズーム、当たり障りのない会話、短い上映時間という黄金要素を全部持ついつものホン・サンス映画。特段好きでもないのに観ているのは、彼がどこのコンペにも選ばれ続けてるからです。ご容赦願います。
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