魅力的なタイトルに耳に残る主題歌、予告に惹かれて観るのを楽しみにしていた映画。
過去と現在、小説と現実を行き来しながら語られるニセ札と一家失踪事件の謎。映像にその境界線がないから、ちゃんと観ていかないと分からなくなりそうかなと思った。
「鳩が囲いを出た」っていう言い回しが何とも小説的でお洒落だったなぁ。それを倉田が言って絵になるのがまた。本当に居るのかな?と思えた倉田の不思議な存在感が、創作か現実かの揺らぎを与えていたように思った。あとはまあ、小説を書いてるのもその主人公も津田だということもかな。
ワクワクした程のインパクトは望めなかったけれど、鳩が飛んだ軌跡を辿った先にあったもの、そして小説家だから出来ることのラストにはフワッと感動した。ただ、この映画の紹介の仕方はミスリードだったんじゃないかなぁと思う。それが、私の見方であり私なりの解釈、かな。
#88_2021