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鳩の撃退法のSSDDのレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
3.5
■概要
昔賞を取った小説家は風俗のドライバーで生業を立てながら自堕落な生活を送るが、自身を中心とした出来事を書き始める。
それを読んだ編集者の女性は過去に事実を小説上で書いたことで訴訟まで発展した経緯から訝しみながらも作品にのめり込んでいく…。作品は真実が書かれているのか?現実の延長線のフィクションに過ぎないのか?

■感想(ネタバレなし)
藤原さんが出ると印象が持っていかれ気味だが、ちょこちょこと色々な役者も出ていて俳優陣だけ観ていても面白い。
作品は小説家の小説を追う形で進行するため、独特の雰囲気でどこか出てくる人間が芝居がかった感じがするのは小説を読んだ想像の世界だからということなのだろうか?と疑うほど不自然な演技を感じる場面があったがご愛嬌。
話としては不要とも思える小さな出来事の登場人物まで伏線として置かれるため、なかなか楽しめた。







■感想(ネタバレあり)
偽札と失踪は同じ人物が起因しているだけで繋がりがないのが少し残念だが、結局偽札が巡る輪の回収は面白かったが、そんなに人は気軽に三万借りて返すのかと少し笑える。

現実パートから分かるのは二点。
1.秀吉は津田が書いたハッピーエンドのように死ななかった
2.ダムで人は亡くなっていたことから秀吉以外の間男と妻は死んでいる

ダムについては津田と社長の無駄話の中で差し込まれていたりしたので、二人の死にが関わっているのは間違いないだろう。

秀吉自体に魅力を感じないので生き死にどうも興味を持てずハッピーエンドで生き残れたことに感情は動かなかったが、小説家の津田が書いた内容が現実を曲げたような最後は良かった。

なぜ鳩の撃退法なのか?
これはしっくりくる答えが出ていないです、秀吉が生きていたことから決めた…ということは紛い物を撃退したと捉えるのか。
バットエンドとなる現実を小説で書き換えたことで結末を変えた。
現実と考えられていたニセモノの真実(秀吉の死)を変えたことを撃退法と呼んだのかなと考えましたが…わからん。
どうも鳩も偽札という意味だけに使われていなかった気もするので合点がいってないですが、なかなか考察も楽しめました。
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