えいがうるふ

ライダーズ・オブ・ジャスティスのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

主要キャラのイイ年したオッサン達はみんな癖強くて病んでて、揃いも揃ってポンコツ。マッツは軍人としての戦闘力は一流だけどうっかり人殺しちゃうぐらい気が短いダメ親父だし、ITギークの皆さんも途中で現れるイケメン君もそれぞれにがっつり病んでて、でもめっちゃ人間臭くて憎めない。対して子どもたちは賢く理性的でめっちゃまとも。こうした人物描写はすごく魅力的だった。

展開サクサクで笑いどころも多く(これ笑っちゃっていいの?と思うところもあれど)、色々ガバガバだけどまあよし、面白いじゃん!
・・と思って楽しく観ていたところ、終盤になって話の流れを根底から揺るがすまさかの設定崩壊あり!
それが最後には回収されてオチとなることを祈るように観ていたけれど、あっさり何事もなかったように美しい情景のハッピーエンドで終わってしまい、ポカーン。

「何の恨みが・・・」
あのセリフで爆笑できる人には快作コメディなのだろうが、北欧系の作品を観た時にしばしば感じるやりっぱなし感が自分はどうしても引っかかり、最後までどうしてもモヤモヤが残った。
そのあたりをカバーするように、統計学が専門の数学者が人が遭遇する事象の因果はどれだけ遡っても複雑すぎて計算しようがないのだと語るシーンがあるにはあったが、それこそ今さらお前がそれ言う?の特大ブーメランでもあり、ひょっとすると最大の笑いどころだったのかも知れない。
一観客としてはむしろ、現実世界での偶然と必然の証明が限りなく不透明なことは百も承知だからこそ、完全なるフィクションの娯楽アクション作の中でぐらい、その合うはずのない辻褄がかっちりと合う爽快さを味わいたいんだよ!と思ってしまった。そのせいか、観終わった後に「いや、少なくともあいつらが極悪集団だったのは確実だし、巡り巡って見知らぬ誰かの代わりにリベンジを果たしてやったと考えられなくもない・・・か?」などと一人でゴチャゴチャ考えて自分を納得させるという若干鬱陶しい作業が生じた(笑)

そして、さんざん人を殺した後の、妙に和やかなクリスマスパーティシーン。皆で競うように思い思いのダサニットを着て寛いでいるハートウォーミングなその様子に、この作品があくまでもある種のコメディであることを再確認した思い。