せんな

20歳のソウルのせんなのレビュー・感想・評価

20歳のソウル(2022年製作の映画)
4.0
すごく真摯さを感じた映画だった。
ただの泣ける話、感動ストーリーでは終わらせない気概を感じた。音楽をとても大事にした映画でありながら、音楽には頼りすぎない。登場人物たちの心の動く重要なシーンでは無音で役者さんの演技を魅せていたのが印象的でした。大義と夏月の、病室での場面とか、大義の部屋での場面とか、演奏会前日の先生と大義のやりとりとか。長尺なのにセリフのみが響いていてとても引き込まれました。

神尾楓珠くんの堂々たる主役っぷり。仲間たちと笑ったり怒ったりたくさん努力したり、全力で青春を謳歌する姿。病気が見つかってからの、気丈にふるまう姿も自分の境遇に苦しむ姿も、音楽へ情熱を燃やし続ける姿も、どれもこれも印象に残る魅力的なお芝居でした。
あとトロンボーン吹く姿が絵になる〜!元トロンボーン吹きとしてめちゃ嬉しい光景でした。
福本莉子ちゃん今作も抜群に可愛い。夏月は髪が長くて服装が大人っぽくてゆるふわでとても好きなビジュアル!それでいて、どんなときでも涙を見せずに恋人の大義をそばで支えていく姿が包容力があってすごく素敵でした…!

「明日なんか来ないかもしれないだろ!」と言葉を放ったときの緊張感。
大義に向けた合唱動画を撮ってるときの、前田航基くん演じる豪くんの泣きながら必死に作った笑顔。
この2つの場面もとても刺さった

164人での市船ソウルは言うまでもなく感極まりました。みんなの想いをのせて力強く大義を送り出そうとする光景に涙が出てきた…!

悲しい苦しい気持ちにも勿論なるんだけど、それ以上に、大義のかけがえのない時間を見届けられて、すがすがしい気持ちにもなれた気がします
観終わった後「市船ソウル」がめちゃくちゃ頭を駆け回ってる…!
せんな

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