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仕掛人・藤枝梅安のmityのレビュー・感想・評価

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)
3.5
気合い入ってるな、というのがありありと伝わってきたエンドロールのあの長さ。本気の時代劇とはかくも素晴らしいもの、というのを堪能出来た時間だった。

人を救う鍼医者としての顔と人を殺める仕掛人としての顔、ふたつの顔を持つ藤枝梅安。どちらも、鍼を刺すという同じ行為ながら、同時に人の生死を分かつ行為でもあるという、その矛盾。救った手で殺めているのか、殺めた手で救っているのか···。“良い人”“悪い人”っていう単純で一面的でないっていうのが、物語に厚みがあって面白かった。

店の内情を知るためにおもんに声を掛けたり、蔓を選別したり、人を見る目があって、尚且つ腕がいい梅安。最初の仕掛で梅安の凄さみた!って感じだった。気付かれることなく水中からって(笑)
同じ仕掛人でも、彦次郎が使うのは楊枝。腕っぷしが強いわけではないけれど、楊枝を使った仕掛は見事だったし、梅安との息のあった感じも良かったな。

第一作は、藤枝梅安の身の上にまつわるお話で、なかなかにヘビーだった···。
次作へと続くラストでは、彦次郎の因縁の相手が出てきたし、場所も京に移ったしで、次もヘビーそうだったけれど、どんなお話か非常に楽しみ。


#16_2023
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