漁業を営む４人家族で、唯一耳の聞こえる妹が、音大に行こうとするが一筋縄ではいかない話。
これは、どうなんだろう。自分は、この世界の「家族」というコミュニティはその全てが存在するだけでドラマチックである、と考える人間なので、聴力の観点を問わず、天文学的に存在するドラマのうちの一つ、という少しドライな見方をしてしまいました。点対称に「籠の中の乙女」があるイメージ。そう見てしまうと、仲良く、力を合わせて生きる愛ある家族で良いね！ってくらいの感想になっちゃう。どうやってこっちの心を震わせたいのか、家族愛の話なのか、聴/聾の話なのか。
なんとなく「素晴らしくて当たり前のもの」見せられた感じ、ていう印象に収まってしまい、こうなってしまう自分になんか問題があんじゃねえか、てハッとはなりました。ようよう考えたら、大抵の家庭は、こんなに力を合わせて生きてないのよね。本当の意味での共生だから、愛も生まれようぞ、てことか。結構そういうことを思い知らせにくる作品です。エンディングテーマ良いね。
