フランス映画『エール！』(2014)の米製リメイク作品。細かいところは少しだけ変えてあるけれど、描かれている家族の愛の強さという大事な一点はオリジナルと同様に感動的です。
一度観たほぼ同じストーリーなのに同じような感動を受けるのは珍しいのではないでしょうか。「なに真似してんのよっ？」となって少し白けてもおかしくない所かもしれませんが、どうしてどうしてこちらも一本の作品として完成されていて文句ありません。
年頃の長女以外の父母兄が聾唖の一家四人。歌が上手い長女が音楽の道に進む事に家族で応援をする。
彼女が音楽の道に進むと一家の仕事が立ち行かなくなる状況の中でも、家族が娘の希望を叶えてあげようと一大決心をする。
どうにか娘の歌声を聴きたいと唄う娘の喉に手を当てる父親のシーンや、なんといってもクライマックスの家族全員のハグのシーンはオリジナル同様にジーンとなってしまいます。
感覚に障害がある家族を題材にしている故にこうなるのかも知れませんが、スキンシップの描き方が秀逸で、理屈ではなく感覚で繋がるのが家族の本質であるという事が良く伝わって来ます。
