もるがな

劇場版 呪術廻戦 0のもるがなのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.7
乙骨シンジくんが思った以上にシンジくんで笑ってしまったw呪術廻戦はジャンプ新世代らしく過去作のオマージュに満ちており、それは作者の「好き」の暴走がひしひし伝わってきて色々と面映い。

呪術廻戦自体、恐ろしく週刊連載の速度に特化した作品であり、良くも悪くも速度が早すぎる作品である。個人的にはもう少し個々のエピソードや掘り下げを……と思わなくもないのだが、そこはもう二次創作の分野として、ひたすらに話を前に動かそうとするパワーが一番の魅力なのかもしれない。

そんな異質かつ刹那的な作風と比較すると、本作は驚くほどに王道的なジャンプストーリーであり、虎杖より乙骨のほうが圧倒的に主人公力が高い。敵味方含めた独特のパワーバランスや特異な命の価値など、変則的な作風に見せかけて、その気になれば骨太の少年成長譚を描けるというのは凄いと思う。単体の完成度ならジャンプ作品映画の中でもトップクラスであり、呪術を知らない層が入門編として本作を見るのも十分すぎるぐらいアリではあるだろう。一番はアニメで「純愛砲」を見れたことで、これだけで一見の価値はあると思う。
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