まさに怪作。押井守解釈のうる星やつらではあるものの、換骨奪胎という言葉では生ぬるいほどに批評的かつ別物で、賛否があるのも頷ける。自身は世代としてはらんま1/2なのでうる星やつらにはさほど思い入れがあるわけではないのだが、そのせいかわりと楽しめて見れたと思う。
「終わらない日常」の終焉とその決定的な一言に対してはまさに言葉通りの「それを言っちゃあお終いだよ」なわけだが、論理性ではなく感性でとにかく突っ走り、それでいながら根底には明確な思想がある。ラムちゃんは可愛かったが、個人的にはやはりサクラ先生が一番だった。
個人的にお気に入りは給湯室のシーンであり、あの会話劇は傑作かつあのシーンだけでも繰り返しみたい。全編通して伝わってくる終わらない夏休みと昔のアニメの雰囲気がとても心地よく、見終わった後の余韻も含めて確かに傑作であると思う。
