スワヒリ亭こゆう

コットンテールのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
3.0
リリー・フランキーさん主演の日英合作映画です。監督はイギリス人の新人監督らしいです。
リリーさんは俳優さんとしてキャリアも重ねて本当に素晴らしいと思います。大好きな俳優さんです。
リリーさんの最新作はロードムービー。
妻の遺言で遺灰をウィンダミア湖に撒いてほしいと書いてあり妻の望みを叶えに行く父親と家族の物語です。

静かで淡々と進む映画を想像して見に行ってきました。概ねその通りなんですが、旅の途中で兼三郎(リリー・フランキー)は妻の明子(木村多江)を偲びながら進みます。その回顧録はキレイな思い出もあれば認知症を患った明子との介護の記憶もあったりします。
明子への想いは愛情だけではなくて後悔とかもある。息子トシ(錦戸亮)とは上手く父子関係を築けていなくてどうして良いか分からない。明子がいたから成り立っていたバランスが崩れてしまう。そういう微妙な兼三郎の心境を繊細にリリーさんは演じていました。
僕の父も亡くなる前の数年は認知症を患っていた事もあり、他人事に思えなくて観ていて兼三郎や明子が気の毒に思いました。

兼三郎とトシとの距離感は二人の俳優の力でしょう。凄く良かったんですけど、トシの妻(高梨臨)と兼三郎の距離感に凄く違和感を感じてしまいました。
過去に二人に何かあったのか?と思わせるぐらいに兼三郎を避けてました。特に理由を語られる事なく映画が終わってしまったのは残念というか、変な感じでした。イギリス人と日本人の違いなのかもしれないですね🤔
義父に対して気を遣う文化は日本人ならではなのかな?欧米にはないのかもしれないですね。

僕としてはあまり心に残る映画ではなかったです。残念ながら。