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シン・仮面ライダーのfonske0114のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.0
石ノ森章太郎原作の特撮ヒーロー、仮面ライダーの庵野秀明版劇場作品。
ショッカーと対峙すべく、改造人間仮面ライダーが立ち向かう、というヒーローもの。

TVシリーズのエヴァから、各「シン」作品を見てきているので、今回も見に行った。庵野節は炸裂するも、私としては楽しめなかった。

以下ネタバレ感想を。

私は、TVシリーズのエヴァで庵野秀明にハマり、それから新劇、「シン」作品を見ている。

『シン・ゴジラ』にて実写×庵野節が良かった記憶が強いが、『シン・ウルトラマン』には私は全くヒットせず、今作はよりアクションが多ければ楽しめるかも、と思い見に行った。
尚、私はウルトラマンも仮面ライダーもTV版等全く触れていない。


この作品は特撮、しかもウルトラマンよりも人のアクションが見応えあると思ったが、チープなCGが主で後はほぼアクションなし。

最近『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にてカンフーアクションを見ていて今回のアクションを楽しみにしていたので余計拍子抜けした。

クモオーグとの闘いでは、2000年ごろの『スパイダーマン』のようなアクションを今更やっているし、コウモリオーグは違和感ありあり動き違和感のCG、2号との闘いやハチオーグでは肝心の戦闘でゲームのようなCG頼みとひどかった。
アクションシーンそのものもあっという間に終わり無茶苦茶短い。

終盤のサイクロン号のチェイスシーンでは、『ダークナイト』のジョーカーとバットモービルのようなものを期待したが、こちらもCGがぬるっとしたもので終わってしまった。

配役は良かったが、個人的には浜辺美波は微妙に感じた。というのも、外見は周りの演者との比較で腕が短く見えてしまい、アンバランスに感じてしまったからである。性格も「準備は順当」と何回も言うも「全然足りないやん」と思う場面もあり口だけのように見えた(アスカの「あんたバカァ?」のようにしたかったのかもしれないが)。

物語も、
・人類の魂をハビタットへ集める→人類補完計画
・浜辺美波の冷静さとツンデレ→綾波とアスカ
・パワーとしてプラートを使う→ATフィールド
・回想シーンのバックが波→エヴァの綾波とシンジの精神世界
と「エヴァと同じかいな!」のような同じ引き出し具合に困惑した。

というのも左右対象や電柱など無機物を入れ引いたアングル、人物の近すぎる正面或いは上からのアップ、といったものは監督の「らしさ」が観られてよいと思う(例えば、堤幸彦作品では、移動シーンはよくカットが入る)。

しかし物語のプロットが同じ+撮影カットも同じでは、新鮮味や新しさがない。正直な所(エヴァと新劇エヴァもラストは似ていたので)違う内容で来ると思っていたので言葉が出なかった。

血しぶきなどの描写も多く「子供向け」ではなく、更に「一見さんお断り」に個人的には思う内容だったので、ターゲットは本当に一部の人だけの、大衆娯楽としての映画ではない、そんな作品だったのかもしれない。

作品冒頭、サイクロン号の変形、ダンスをしているので山本未来の流石の動きは良かったが、コンフィデンスマンJP以上のぶっ飛んだ長澤まさみが一番良かった。

私はもう実写の庵野作品は見に行かないかもしれない。
というか庵野作品の中では新劇とシン・ゴジラが大衆に受け入れられエンタメしていたので異常で、旧劇、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーのような一部マニア向けの方が庵野作品として正常なのではと今作を見て思った。
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