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シン・仮面ライダーのRickのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.7
 「仮面ライダーの良さ」はこれで良いのだろうか...。孤高のライダーとして、人知れず戦うというコンセプトに寄り添っているのは分かる。しかしそれでも、フェティッシュな部分がとことん合わない。初期作の印象に近づけているはずの戦闘シーンも、もっとフェティッシュにやっても良かったのではないか。初期の伝奇ホラー的な要素も、もっとおどろおどろしくできたのではないか。矢継ぎ早に出てくる怪人、もといオーグたちも、もっとキッチュでも良いのではないか。ずっと芯のないガワだけの仮面ライダーっぽさ、それっぽいカッコ良さだけを見ている感じがしていた。脚本的にも2時間でやるには詰め込みすぎな登場キャラの量の割に、新要素として様々なものを載っけた結果、台詞での説明が多すぎることになっている。そのために、いろいろな感情を惹起させようとするシーンが、記号的になっていて心が動かない...。
 ダメなところはとことんダメな気がするけれども、『シン・ウルトラマン』よりは好きというか、腹が立たなかったのも事実。元々昭和ライダーに思い入れがないためかもしれない。触れてきたのはクウガや響鬼なので、それを求めていた気もしなくもない。ハチオーグ周りは、すごく良い物になりそうな予感は漂っていたのに、中途半端で終わってとても残念。と、文句を垂れながらも見てしまうのが、シン・シリーズの醍醐味かもしれない。
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