Matthew

そして、バトンは渡されたのMatthewのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

色んな家族の話

最近会社の優待で映画券4枚ゲットしたので、早速使用してきました。レビュー事前にチラ見して、"泣ける!"とのことなんで、絶対泣かないようにしよ、と逆張りオタクかましたんですが、普通に順張り泣き虫でした。ただ号泣とまではいかなかったです、理由は後述。

ストーリーは過去現在を行き来するので、展開目まぐるしいですが、話の組み立てがしっかり構成されていて、且つ細かい伏線が綿密に張られてたので、かなり良かったです。ロッシーニってちょい渋なとこ付くのも良いですね。のだめのオクレール先生も料理の大事さを解いていて、料理は音楽と並ぶ芸術作品なんですね。ロッシーニに関しては、ウィリアムテル、セビリアの理髪師とかくらいは知っていましたが、ロッシーニステーキ初めて知りました。しかもちょうど先月同期の結婚式で出てきてその豪奢な存在に感動してたんで、今後好きな料理聞かれたらロッシーニステーキと答えようと思います。そして、ピアノ。ベーゼンドルファーとか弾いてみたい。詳しく知らないけど確実に10万ドル超えるよね。ただ実力見るために弾きましょう、って件は謎すぎるし、そこでトルコ行進曲のチョイスは悪手だし、あんだけフォルテッシモで弾き散らかすのもびびってしまう…笑

物語の立役者、梨花様が素敵過ぎる。倫理観とか人道とか気にせず、血の繋がりのない子を愛する姿は美しいし、我が子のため覇道を進む様は魅力的過ぎて、そりゃ泉ヶ原さんも落ちるわけです。"なんだ、ただのお金目当て女子か"と思わせてからの、ロジカルな行動は愛というか寧ろ狡猾さが素晴らしかったです。石原さとみ、相変わらず美しいし、個人的にはかなりハマってると思いました。

一個気になった点はキャラの印象がブレブレで、今いち感情移入し辛かったです。原作未読なんで、もしかしたらなんかあるのかもしれませんが、例えばパパがいきなり何の相談もなしに"ブラジル行くわ!、俺の夢応援してくれるやろ!"は普通に引いて父親愛が急に感じられなくなってしまいました。他は早瀬くん彼女いて失恋の件要らなくない?素直に卒業して付き合えよ、と思ったし、いきなり"俺のこと好きなの?"と言われましても…あと梨花さんも流石に会えないとかだとしても手紙送るくらいのことできるし、流石に手紙差し止めは惨すぎると思ってしまいました。そのせいでピークの展開では号泣とまではいきませんでした。 伏線も勘違いトリックとかじゃなくて「湯を沸かすほどの熱い愛」の手話とかああいう演出が至高だと思うんですが。
Matthew

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