台湾映画。亡き同性パートナーの家族を守るため罪を背負う青年の姿を通して、血のつながりを超えた家族を描いたヒューマンドラマ。
台湾アカデミー賞（金馬奨）で最優秀主演男優賞と最優秀助演女優賞を獲得した作品（その時の最優秀作品賞が「1秒先の彼女」）
切ない。とにかく善良すぎる主人公が切なすぎる。同性パートナーの母親と息子の世話をする献身的な主人公に対し、徹底的に不審の目を向ける警察に憤りを感じるが、それは主人公視点だからであって、警察視点でみるとやはり怪しい。そのあたりのミステリー的要素もあり面白い。
そしてジェンダー問題も組み込む事により実に深みのある作品に昇華させている印象。
ただ物語に起伏がなく複雑なわりにワンテンポ。好き嫌いが分かれそうな作品という印象は残った。
最優秀助演女優賞を獲得したチェン・シューファンは台湾で“国民のおばあちゃん”の名前をもつ大女優との事。韓国のユン・ヨジュン（「ミナリ」でアカデミー助演女優賞）と並び、アジアの二大おばあちゃんが誕生した（笑）
同タイトル映画やよく似たタイトルの楽曲もありややこしい上にジャケット写真が無いのは残念（ちなみにTOCANA作品ではない）
原題は親愛的房客。“房客”は借家人やテナントという意味らしく、英題もDear Tenantなので、邦題も「親愛なる借家人」や「親愛なる店子（たなこ）」でいいじゃんと思ったが、受ける印象が全く違うのでしょうがないか（笑）
