ゼロ

べイビーわるきゅーれのゼロのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
3.7
二人は殺し屋。その正体は。

ほのぼの系女子高生殺し屋映画でした。社会に適合できない女子高生の二人の日常と非日常を上手く描いており、面白かったです。

原作があるんじゃないか?と疑うほどに、杉本ちさとと深川まひろのキャラクターは立っていました。ちさと役の髙石あかりさんは、黒のロングヘアで、社交的に見えて、短気で簡単に人を痛めつけてしまう性格。まひろ役の伊澤彩織さんは、金のショートカットで、コミュ障で、声も小さい。

殺し屋をしているのに、コンビニのバイトの面接を落ちたり、飲食のバイトで客をぶん殴ったり、メイドカフェでバイトをしたりの日常が、現実感を演出します。今の若者ってこうなんだなって。

その落差を非日常である殺し屋のパートで表現するのですが、殺し自体は割と雑に描かれているかなと。新宿で殺しをして、ゴミ箱に捨てていたり、メイドカフェでヤクザ二人を殺していたりします。銃に重さがなく、後始末も軽いです。

ただまひろ役の伊澤彩織さんのアクションが凄く、序盤のコンビニでの銃撃戦、終盤のヤクザとの正面衝突時の機敏な動きは見事。彼女は社会不適合者となっているキャラですが、そりゃこんだけ人殺しに特化していたらなあという説得力。

緩急があり、二人のキャラが立っており、95分と短い映画でしたが、最後まで楽しめる作品でした。
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