りな

前科者のりなのレビュー・感想・評価

前科者(2022年製作の映画)
4.8
書くのが遅くなりましたが、舞台挨拶の関係で2回観てきました。
大好きな有村架純ちゃん主演という事でドラマから観ましたが、とても良くて映画も楽しみにしていました。
結論から言うと、本当に観て良かったです。舞台挨拶で架純ちゃんが多くの人に観てもらいたいというより、観た方の心に残る作品(言葉はうろ覚え)だと言っていましたが、本当にそうだなと。
特に印象的なシーンは、彼らの子供の頃のビデオが流れているところと架純ちゃんがビンタをして想いを伝えるシーンです。特にビデオのシーンは、外であんな事が起きている中で子供の頃の、笑顔のビデオ。彼らにもあんな笑顔でいられる家族の時間があったのに。それを周りの大人たちに奪われ、めちゃくちゃにされたこの理不尽な人生。彼らの人生が外で起こっている事とこのビデオによってグサッと心に刺さって、えぐられて、やるせない気持ちが溢れて苦しくて、本当に息をするのが辛いほど涙が止まりませんでした。そしてその時流れるあの重たい音のバックミュージックがまた刺さりました。

役者さんに関しては、この作品は有村架純ちゃんの役者としての新しい姿、進化した姿を観れたので大満足です。架純ちゃんと森田剛さんのオーラの消しっぷりは本当に驚愕です。私は特に自転車に乗りながら叫ぶシーンがお気に入りなのですが、彼女が言っていた通り、誰かのために本気で怒ったり、泣いたり出来るのは本当に素晴らしい事だなと。そして監督がこの映画が観た人の優しさを刺激してほしいとおっしゃっていましたが、本当にその通りでした。今回この映画を観て、保護司という方々の存在を知り、そして世の中の問題、そして人の優しさまでも知る事ができました。内容はとても重いです。でも観た方の心に残る作品だと思います。少なくとも私にとっては一生心の中で大事にしたいと思える作品でした。
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