翼

ディア・エヴァン・ハンセンの翼のレビュー・感想・評価

3.2
偏愛するミュージカル作品で珍しくハマらなかった。何故だろう。
思うに、「嘘を中心に世界が拡がって行くこと」の倫理を許容できるかによって見方が様変わりする脚本だと思う。彼との物語は嘘だけど、語った想いは本物。その想いに感化されたから起きたムーブメントなわけだが、そもそもが虚構なら彼らは何に呼応したというのだろうか。私は、許容できなかった。
亡き人をいろいろと解釈して祭りあげること、本当にコナーはそれを望んでいたのか?注目されたい人達が亡き彼をダシにしてる様に見えてしまうと、もうこの作品を客観的には観れない。そう見せてしまったのなら監督責任だと思うけど、チョボスキーかよ…大好きなだけに複雑。

ただ一つ言える、ミュージカル楽曲の素晴らしさは別腹でヘビロテ確定している。序曲のwaving through a windowの「何かが始まる」感。ベンプラットの極めて自然なナード感と絶品の歌声の成せる技。
翼