アーリー

クライム・ゲームのアーリーのレビュー・感想・評価

クライム・ゲーム(2021年製作の映画)
3.8
終始緊張感漂う作品。
なのにクスッと笑えるシーンがあったりしてなんとも不思議な感覚やった。

1950年代のデトロイト。排気ガスを減らそうという流れが国際的に広まる中、自動車産業で利益を得たいアメリカが国ぐるみで車につける排気ガス削減のための装置を隠蔽した。「ナイスガイズ!」では探偵二人がその陰謀に巻き込まれていたけど、今作ではギャングがメインで関わってて結構リアルに感じた。
忘れられた人物が物語を終わらせる。警察官を演じたジョン・ハムが最後に全てを回収し、一件落着となった。警察、あるいは国とギャングの癒着。お互いがお互いを利用し、ズブズブの関係を築くのはよくある話なんやと思うけど、そう言う話を聞くたびに重たい気持ちになる。

たくさんの人名が出てくるし、登場人物たちの説明もちょっとしかしないから、気を抜くと置いてけぼりにされる。解説を読みながらじゃないとついていけない。
それでもスティーブン・ソダーバーグお得意の群像クライムサスペンスとして楽しめるし、ひとつひとつ自分の中で話がつながっていくのが面白い。「オーシャンズ」シリーズほどわかりやすくはないし、ラストの爽快感はなかったけど、社会派ドラマと思えばこの終わり方でいいんだと思う。誰が悪いのか。誰が生き残るのか。観てる間どの瞬間も飽きることがなかった。

ネットで解説してる方がいないのは、今作が配信だけでの供給やったからか。少なくとも3回ぐらいは観ないと全てを理解出来なさそう。また観たい。
アーリー

アーリー