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裁かるゝジャンヌの10000lyfhのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.5
1431年のジャンヌダルク処刑裁判の実録サイレント映画。映画の時間の大半がジャンヌや裁判官や看守の CU なのは、製作の 1920年代当時としては驚異的に革新的な手法だったと思われるが、その画圧に圧倒される。ストーリー的には 30分短編程度のコンテンツだが、90分前後の長編になっても冗長に感じない。ジャンヌの一貫した、抑圧される恐怖、政治的信念、信仰心などがミックスした複雑な、時に涙しながらの表情は、鮮烈で忘れがたい。世代、階級、ジェンダーなど、様々な属性に基づく抑圧が読みとれるのも、本作に時代や状況を超えた普遍性が感じられる要因の一つだと思う。映像ピンポイントで、終盤、屋内で真上から看守たち(画面下方に歩いており、観客の平衡感覚を揺るがす)を写し、ティルトしてカメラが水平方向になり窓から外を写す、のショットが神。バッハ風オルガンと小オケを模したシンセの、カロル・モサコフスキの新劇伴が、映画に完璧に合う。血を吐く人面鶏のグラフィティはなんやったんやろ??
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