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死霊のはらわた ライジングのkeeper7のレビュー・感想・評価

3.7
初め個人的にはそっか、リブートするんや、、位の反応だった本作。トレイラーも出オチ気味でロケーションも一変して山小屋では無いが、雰囲気はフェデ・アルバレス監督のリメイク版に近い感じ。(アルバレス監督版も好きでっせ。Alien新作監督抜擢オメ)と可もなく不可もなくで正直なんとも言えない印象だった。
驚いたのは当然日本で劇場公開すると思ってたのがまさかのBDスルー&配信サービス。

リー・クローニン監督作は観るのが本作が初めてだし、最近作でライミがプロデュースし、自身の大好きな「クワイエットプレイス」の脚本コンビが監督していたも凡作だった「65」(つまらなくはなかったが何回も観たいとは思えない作品だった)の事もあり、本作もライミプロデュースでも不安要素はあるにはある。
だが青春時代と共にあった1作目から愛情を捧げてきたフランチャイズの1本であることに変わりはない。そして何より評判が良い。当然鑑賞する。

結果は、良かった。
いや、かなり良かった。

ロケーションがマンション内に変わっても閉鎖規模と状況は山小屋と大きく変わらず寧ろスリリングな演出アイディアを増やす事に成功している。
今作もリメイクと同様に1~3作目、ドラマ版にあったスラップスティックコメディ要素は皆無でシリアス路線に徹しリメイクと同系統の流れを汲みながら、さらに"動"表現とエンタメ性を強調しシリーズ全てにあるパワフルさはしっかり継承されている。
とにかく全編パワフル。まるでブラストビートの効いた映像のグラインドコアと言った感じ。

血液や液体の量もピージャクの「ブレイン・デッド」を彷彿させる勢いで、下手をするとギャグになりかねない所だが見せ方と良い塩梅で留めて上手く回避している。

ディフォルメを効かせたビジュアルでグイグイ来る感じはこれもまたつい最近公開されている「ヴァチカンのエクソシスト」が近いが暴走機関車の様なメーターの振り切り方はダントツでこちら。
にも関わらずちゃんとホラーしていてギャグっぽくならないのはクローニン監督の手腕なのか。言い方は悪いが他の作品も観たら判断できるかも知れない。ビジュアル、音響、演出と編集のバランス感覚の良さなのかと考える。

ショットガン、チェーンソーに加えシリーズファンにはちょっと嬉しい小ネタもあり。

失敗したリブート作品は多いが、成功している本作はシリーズファン、ホラーファンにおすすめできる。
絶対劇場向きな作品なんだけどなぁ。
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