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インフル病みのペトロフ家のlololoのネタバレレビュー・内容・結末

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「……っていう夢を見たのさ!」な映画。インフルエンザの熱に浮かされた主人公が、ふらっふらで過ごす数日間(多分)。
ロシア版「脳内ニューヨーク」「エターナル・サンシャイン」なカオスぶり。カオスに見えてちゃんと筋は通ってそう。

ドストエフスキーの小説で感じる、「ロシアの人の人生、クソデカ感情がすごいな」っていう雰囲気を映画で感じられて興味深かった。原作の小説読んでみたい。

突飛な妄想の表現は最後まで見れば「ああ妄想か」ってわかるけど、現実から夢に繋がるのがあまりにもシームレスなことが多いし、時間軸もばらばらになるので混乱する。それが面白い。最初は戸惑ったけど、なんだかんだで引き込まれた。

主人公の子ども時代の記憶だけが、(記憶の中同士だけだけど)割と伏線貼ってて回収していたのが不思議な感じした。雪むすめの女の子が着ていたセーターと同じ柄のセーターを図書館の人が編んでいたとか、主人公の知らないところで現実に夢が絡んでいるのも興味深い。

最後に、誰も居ない自宅に主人公が帰ってきたのは、どういうことだったのかな。まるでミニチュアみたいに映る映像、巨人になって窓から家を見る主人公。そして、彼が描いていた漫画に奥さんが洗濯機の前で座って泣いてる描写があったから、もしかしたら家族自体も、熱に浮かされた彼の妄想だったのかなあ。(だとしたら、図書館勤務の奥さんが自分との艶事を妄想する、という妄想をするの業が深い。)

ロシア語のラップ聞いたことない気がしたので、最後に聴けて良かったです。
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